西園寺くんの場合

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西園寺くんはお金持ちでイケメンだ。彼の父親は、いくつもの有名企業を抱えている経営者だからお金には困らない。当然アルバイトなど必要ない。

だが、ある日西園寺くんは、親友の須永くんに相談した。
「社会勉強としてアルバイトをしてみようと思う」
「あてはあるのか?」
「大学の近くにカフェが出来た。あそこがバイトを募集している」

須永くんはピンときた。そこの店長が若くて可愛いと、もっぱらの評判だった。さっそく惚れたか…。

イケメンの西園寺くんは、接客担当で即採用された。 彼は天然だがバカではない。仕事はすぐに覚えた。

「仕事はどう?」
「結構楽しいものだな」
「そりゃ良かった」
「だが困ったことになった」
「何だ」
「お客様が女の子ばかりになってしまい、かつ、居座るため回転率が悪くなったとひどく怒られた」
「それで?」
「クビになった」

須永くんは彼の肩を軽く叩いて「メシ行くか」と言った。
その他
公開:21/02/12 02:15

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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