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ある日、川沿いの堤防を歩いていると、河原にうずくまる老男性が目に入った。歩きながら見ているが彼は微動だにしない。僕は不安になって、その老人に話しかけてみることにした。
「どこか具合でも悪いんですか?」
返事が無い。
僕は更に不安になり「あのう」と再度話しかけようとすると、老人は苛立った口調で「聞こえているよ。石を観るのに忙しいから邪魔しないでくれ」と呟いた。
石? この辺の石がそんなに面白いのか?
僕は気になって、迷惑を顧みず「どう面白いんですか?」と尋ねてみた。すると彼は露骨に嫌そうな顔を見せたが、鞄から石を一つ取り出し、ゆっくりとそれを僕に差し出した。
それははじめ何の変哲も無いただの石のようだった。だがほんの一瞬複雑な形状を表面に浮かび上がらせた。
僕は「え?」と驚きの声を漏らした。
その反応を見ると、老人は黙って石を鞄にしまい、また独り自分の世界に没入していった。
「どこか具合でも悪いんですか?」
返事が無い。
僕は更に不安になり「あのう」と再度話しかけようとすると、老人は苛立った口調で「聞こえているよ。石を観るのに忙しいから邪魔しないでくれ」と呟いた。
石? この辺の石がそんなに面白いのか?
僕は気になって、迷惑を顧みず「どう面白いんですか?」と尋ねてみた。すると彼は露骨に嫌そうな顔を見せたが、鞄から石を一つ取り出し、ゆっくりとそれを僕に差し出した。
それははじめ何の変哲も無いただの石のようだった。だがほんの一瞬複雑な形状を表面に浮かび上がらせた。
僕は「え?」と驚きの声を漏らした。
その反応を見ると、老人は黙って石を鞄にしまい、また独り自分の世界に没入していった。
その他
公開:21/02/13 00:45
石
河原
変人
老人
写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)
投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)
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