中華飯店楼宝軒 特製餃子480円

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「好きなお店があるの。」
放課後、帰りに立ち寄った楼宝軒では、再々放送くらいの時代劇が流れ、常連客で賑わっていた。
何の気なしに餃子セットを注文し、水を飲む。
誘ってくれたのは同じクラスの春川さん。
大人しい印象で、密かに人気がある。
憎からず思っていたので誘われて嬉しいが、
何度考えても中華屋と彼女が結びつかない。

少しして餃子が提供された。
タレなしでも肉汁と焦しネギ、ニンニクの風味がキャベツの甘味と相まって1つ食べれば直ぐもう1つ食べたくなる。そんな餃子だった。

春川さんはといえば、贔屓目かもしれないが、食べ方まで上品に見えた。

「…どうだった?」
その問いに生返事で答える。帰り際にそう笑う彼女の唇。艶やかな光沢に僕は釘付けになっていた。
不意に頬に柔らかな感触を感じた。
「今日は餃子たべちゃったから…。」
餃子食べなかったら?そう考えると、その夜は寝れなかった。
青春
公開:21/02/10 15:13
更新:21/02/10 15:34
中華飯店楼宝軒【ろうほうけん】

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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