fall in love

私は恋をした。
それはとても真っ白で、けれどきっと激しく、おちていく恋。

ただただ単調な日々。
私の命には限りがあり、それをつらいと思ったこともなかった。
消えてなくなっては、また産声をあげる私の新たな命。
誰も私など望んでない。

私は、一体なんのために…

今日も私は空から舞い落ちる。
それは何もない、無の時間。
ただ今日の私は柔らかい。
きっとそれほど嫌われはしないだろう。
今日の天気は穏やかで、私も静かに落ちてゆく。

このまま静かに誰にも迷惑かけずに消えてしまえば…

地上が見えたがやはり今日は穏やかだ、雪も積もってない。
私はひらひらと舞い落ちる。
地面が近くなった頃、一人の青年が口を開けて待っていた。
口の中には一粒の飴玉。
彼は私を口の中に入れると一言、

「美味しいな」

そして私は、彼の口の中で溶けていく。

…神様。できるなら私は、また彼の口におちていきたい…