月光西照宮

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栃木県の日光東照宮は、江戸幕府の初代将軍、徳川家康公を神格化した日光大権現を主祭神として祀っていることで有名ですが、こちらの月光西照宮はまったく知られておりません。
絢爛豪華な日光東照宮が「陽」ならば、簡古素朴な月光西照宮は「陰」といえるでしょう。
月光西照宮では、家康公の影武者を神格化した月光大権現を主祭神として祀っております。
実は、家康公は駿河国の戦国大名、今川義元の家来として桶狭間の戦いで先行した際、討ち死にし、急きょ抜擢された影武者が、その後めきめきと頭角を現し、江戸幕府を開いたのです。
月光西照宮の造りは、日光東照宮とまるで同じですが、質素で、その存在は月の光が照らすときにだけ現れるのです。あちらの眠り猫も左甚五郎の影武者による彫刻です。
貴殿は、死に場所を探し、この山を丑三つ時に登ってきたとのことですが、月光西照宮を拝観した御利益で運気は急上昇しますので、生きてみてください。
その他
公開:21/02/11 07:02
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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