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そこは緑の木々が頭上高く生い茂り、今が夜なのか昼なのか、空の色さえ分からない。 道らしい道もなく、僕はただひたすら彷徨い歩いている。

どうしてここにいるのか、どこから来たのか、何処へ行こうとしているのかさえ分からない。 誰かに聞きたくても人の気配など皆無だ。ざわざわと風に揺られる葉ずれの音と小さな鳥の鳴き声だけは聞こえてくる。

いや、聞こえてくるのは葉ずれの音ではなく、僕の心のざわめきなのかもしれない。何かに急き立てられている。「急げ、急げ」と心が叫ぶ。出来るだけ遠くへ遠くへ行けと。 だが、何処へいけばいいのだ? 誰か教えてくれ。
 
僕が分かっているのは、擦り傷だらけのはだしの両足と、肌に張りつくTシャツと…そして血だらけのこの両手。

Tシャツにも赤い染みがところどころに広がっている。 これは夢なのか、現実か…視界が揺れる。

 僕は呆然と森の中を彷徨い歩くばかりだった。
その他
公開:21/02/09 01:23

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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