雪女
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「昔、雪女に会ったことがある。他人にしゃべったら、殺すなんて言う恐ろしい女だった。お前にそっくりな美人だったのに」
最近、父はボケて、同じ話を繰り返して言うようになった。若い頃から酔うと、いつもしゃべっていた話だ。
「はいはい」
母は適当に相槌を打っている。
年をとって、耳が遠くなったから、よく聞こえないと言うが、嘘だ。
母は年をとるのを忘れているようだ。相変わらず、若く見え、最近では父の娘と間違えられるどころか、孫と間違えられることもある。
そんな母は若い頃から都合が悪い話は聞こえないふりをしていた。
まあ、そのおかげで、父子家庭にならずに済んだのだが。
最近、父はボケて、同じ話を繰り返して言うようになった。若い頃から酔うと、いつもしゃべっていた話だ。
「はいはい」
母は適当に相槌を打っている。
年をとって、耳が遠くなったから、よく聞こえないと言うが、嘘だ。
母は年をとるのを忘れているようだ。相変わらず、若く見え、最近では父の娘と間違えられるどころか、孫と間違えられることもある。
そんな母は若い頃から都合が悪い話は聞こえないふりをしていた。
まあ、そのおかげで、父子家庭にならずに済んだのだが。
ファンタジー
公開:21/02/09 00:14
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