スターの背中

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その背中はいつも大きく、誰よりも輝いていた。その傍らはいつも人で埋め尽くされ、その背中の人物はTVで見かけるのが当たり前の有名人だ。
だが私はTVを見る暇がない程に忙しいごく普通のTV局のスタッフだ。
上司にいつも怒られ、感謝され、さらに指導されてと忙しい毎日。
収録する姿は見たことあるのに、私は収録に向かうその背中、もしくは楽屋に向かうその背中しか見たことがない。
私が見ようとしていないと言われたら、そうなのかもしれない。
だって私はTVを見れない程に忙しく、上司と過ごす事が多いTV局のスタッフだから。
その背中の人物は誰もが知る有名人、でも私はTVに映る事のないただの一般人。
見るのは背中だけで喋りかける事すら出来ない。
でもその輝く背中をほぼ毎日見られているだけ幸せなのかもしれない。
かつてスターを目指していた私の心を打ち砕くにはピッタリの輝きだから。
そして今は今で幸せだから…
その他
公開:21/02/08 23:52

勇と申します。
まずは書く楽しさを取り戻したいと思ってます。
ゆっくりと考えを変えていきます。
最近は気まぐれに更新中です。

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