Re:柴子さん 往復書簡 水素カフェさん作『名前も知らない花』
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「僕には分不相応なものです」
男は先日この店で買ったばかりの花瓶を返した。
「それはどういう…」
女性店員は困惑の表情を浮かべた。
「貴女は何も悪くないんです。すべてこちらの話です。とにかく、僕には…元からそんな資格なんてなかったのです」
男はひどく弱々しい目つきで言った。
彼女はついぞ男にかけるべき言葉を見つけられぬままその立ち去る姿を見送ることしかできなかった。
せめてもう少し何か話せたら良かったのに。
未練が胸に引っかかったまま日々は過ぎた。
一ヶ月ほど経っただろうか。
またあの男が現れた。
「すみません」
「貴方は、あの時の…?」
「あの花瓶は、まだ置いてますか?」
「はい、ありますけど」
「やっぱり買います!」
「それは…どうして、ですか?」
「実はその…!」
男は唾を飲み込んだ。
「最近、絵を描きはじめまして、それで練習に花でも描いてみようかと…」
二人はじっと見つめ合った。
男は先日この店で買ったばかりの花瓶を返した。
「それはどういう…」
女性店員は困惑の表情を浮かべた。
「貴女は何も悪くないんです。すべてこちらの話です。とにかく、僕には…元からそんな資格なんてなかったのです」
男はひどく弱々しい目つきで言った。
彼女はついぞ男にかけるべき言葉を見つけられぬままその立ち去る姿を見送ることしかできなかった。
せめてもう少し何か話せたら良かったのに。
未練が胸に引っかかったまま日々は過ぎた。
一ヶ月ほど経っただろうか。
またあの男が現れた。
「すみません」
「貴方は、あの時の…?」
「あの花瓶は、まだ置いてますか?」
「はい、ありますけど」
「やっぱり買います!」
「それは…どうして、ですか?」
「実はその…!」
男は唾を飲み込んだ。
「最近、絵を描きはじめまして、それで練習に花でも描いてみようかと…」
二人はじっと見つめ合った。
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公開:21/02/08 22:47
柴子さんへ
こんな感じで
どうでしょう?(笑)
最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。
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