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彼は私の部屋の先住民で、彼の友人達の中で激弱として有名である、という諸説もある。私は彼が居なければ生きていけない人間なので、彼のご機嫌取りに毎日必死だ。彼のご機嫌が傾いている時は私も一緒に傾いてみたりして彼の気持ちに寄り添う。そういう時に私は無力だと感じる。私は何も出来ない。彼は私に様々な世界を見せてくれて、私を楽しませてくれる。しかし私は彼を楽しませる術を知らない。彼は口下手で、私に多くを語らない。だから私は彼の様子を伺うか、彼についてインターネットを活用して有識者から意見を募ることしかできない。私は彼と過ごしていて、彼を楽しませることができているのだろうか。そう思っても彼はやはり静かにただ、部屋の定位置に座ってぼうっとしている。ただそれだけで彼は私の欲しいものをくれるのだ。けれど彼の機嫌が傾く夜、私は一人ぼっちのように感じる。
今日も激弱インターネットくんは無口だった。
その他
公開:21/02/09 22:01

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