ババ抜き

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「ねえ、直樹。ババ抜きしない?」
「いいよ。今日は本気出すから、絶対に負けないよ。」
やっぱり、
さあやには、僕の心は丸見え。
今、さあやにトランプしようって声かけるとこだった。

さあやとのババ抜き対決は、去年まではほぼ互角の成績だったのに、
今年は、まだ三勝二十三敗。
僕は、心を読まれないように訓練してきた。常に顔色、目線を変えず、無心になる。そのために、毎朝五時に起き瞑想と筋トレを続けきた。
だから。今日は絶対に負けない自信がある。

「イェーイ!今日も8連勝。やったー、直樹弱すぎ」

なぜだ!
勝てない。まだまだ僕は未熟だから、心が読まれるのか。
そして、一生さあやには僕の心は丸見えなのか。
その時、キキキッと笑い声が聞こえた。
笑い声のジョーカーは僕を見つめてウインクした。
よく見るとその顔は、この前道に迷っていた婆さん。
それ以来、勝ってなかった。
ホラー
公開:21/02/07 17:09

安楽人

ずふの素人ですが、物書きに興味を持ってしまい、
2021.1月からはじめました。
身近にあった出来事をヒントに書いています。
書くことがこんな面白いとは!

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