変わり果てた日常

ウィルスが成長を続けた結果、感染すれば100%の確率で死ぬ。
外出することが命懸けになった。
今では、自分の代わりにアンドロイドが外出してくれる。
アンドロイド視点から見える外の光景がテレビに出力され、コントローラーで遠隔操作をしなければいけない。
現実世界をゲームのように冒険していると言えば分かりやすいだろう。
買い物や職場へ行くのもアンドロイド。
感染する心配はなくなったが、家に閉じ籠ったままだと違う病気になってしまいそうだ。
何も心配せずに、自分の足で外を歩きたい。
天井を見ながら考えていると、携帯に一件のメールが届いた。
”ついに実装開始！脳にある全ての記憶をアンドロイドへ移植すれば、感染の心配をせず外へ出れる！今ならキャンペーンで半額！この機会に試してみませんか？”

自分の足で外を歩けるのはいいことだと、空を見て思う。
だが、姿が変わった自分と人間が消えた世界は、まだ慣れない。