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「あの、やっぱり…」
「だめよ。同情や気遣いで手放すことはないわ。聞き出した事も聞こえた事も、好きに書いちゃいなさい」
「でも、それだとセディさんの責任に」
「それはこいつが何とかするべきとこよ。期待してなさい」
容赦ない意趣返しだなお師匠。しかし、本当にどうする主人?
「…差し替えでどうだ?」
「差し替えですか。でも、そのためには…」
「埋める穴より大きな蓋がいる。だろ」
そこで主人は、わたしに視線を移した。それだけで察しがついた。確かに、我々が持つ大きな蓋はあれしかない。
「わん」
わたしの返答を聞き、主人は切り出した。
「"ペルビエの攻防の真実"。でどうだ?」
トトの眼の色が明らかに変わった。
「聞かせてもらえるんですか?あの日の事を」
「ああ」
トトは姿勢を正し、テープを入れ替えた。
「まぁ、妥当なところね」
そう呟くお師匠の喜んだ顔が、その時妙に印象に残った。
「だめよ。同情や気遣いで手放すことはないわ。聞き出した事も聞こえた事も、好きに書いちゃいなさい」
「でも、それだとセディさんの責任に」
「それはこいつが何とかするべきとこよ。期待してなさい」
容赦ない意趣返しだなお師匠。しかし、本当にどうする主人?
「…差し替えでどうだ?」
「差し替えですか。でも、そのためには…」
「埋める穴より大きな蓋がいる。だろ」
そこで主人は、わたしに視線を移した。それだけで察しがついた。確かに、我々が持つ大きな蓋はあれしかない。
「わん」
わたしの返答を聞き、主人は切り出した。
「"ペルビエの攻防の真実"。でどうだ?」
トトの眼の色が明らかに変わった。
「聞かせてもらえるんですか?あの日の事を」
「ああ」
トトは姿勢を正し、テープを入れ替えた。
「まぁ、妥当なところね」
そう呟くお師匠の喜んだ顔が、その時妙に印象に残った。
ファンタジー
公開:21/02/07 23:05
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連載
怪盗
探偵
犬
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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