ハンプティダンプティ

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どんな願いも叶えてくれる、不思議な男。
それが私、ハンプティダンプティ。
今日の願いは何だろう。

「みんなにブス、って馬鹿にされるんです。だから、もっと綺麗な顔になりたい」

そうかい、それは可哀想に。もちろん叶えてあげよう、君の願いを。

「このタマゴを割ればいいの?」

その通り。それで君の願いは叶う。とっても簡単。
但し、一つだけ注意をば。
割れたタマゴは戻らない。一度割れば引き返せない。
それでもいいなら、割りなさい。

「…なんだ、そんなこと」

ぱきん、と音がする。
さあ、君の願いは叶ったよ。


「ただいまー」
「おかえ…?」
生まれ変わった私の顔を見て、お母さんが固まる。それもそう。だって今の私は芸能人みたいなんだもの!
「えへへ、びっくりした?」
「…ええ、あの、」
「ん?」

「貴方はどちら様?」

「…え?」


私はハンプティダンプティ。
割れたタマゴは戻らない。
ファンタジー
公開:21/02/05 12:43

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