才能発見機

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2×××年。
僕達は、天職という言葉を完全に体現した。
血液を採取するだけで、その人が一番お金を稼げる職業を判断出来るようになったからだ。
もちろん適した能力を持つ人が、仕事をこなせば経済は右肩上がりに発展し、日本の生活水準は大きく上がった。
仕事にやりがいがあることは常識となり、仕事中毒に注意!などという警告が発令されるまでになった。
僕達は十六歳になると強制的に才能を見出される。
僕は今、その結果が書かれている紙を握っている。
母と父は、僕が将来就く仕事はなにか、という話で大盛り上がりだ。

紙には「警察官」と書かれていた。
そうだ、確かに僕は曲がったことが大嫌いだ。きっとみんなの役に立てるようになるだろう。






ほんとうに僕は曲がったことが大嫌いなんだ。
だから、こんなやり方で将来を決められるなんて絶対に嫌だ。
そう口にして、僕はキャンパスに色を乗せた。
SF
公開:21/02/04 21:26

( 東京 )

色んな色の作品を目指します。

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