留守番の条件

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「妹の面倒を見て、Nと一緒にお留守番しているのよ」
両親は家を出る時、いつも私にそう言う。
N?Nって何?誰のこと?
「NはNよ。おかしな子ね」「いい子でお留守番していたら、おやつも食べていいし、ゲームで遊んでもいい。勉強しろなんて、お手伝いしろなんて言わない。好きにしていい」
昔はそれだけで大喜びだった。でもNの事が気になり始めてからは怖くなった。
何で両親は留守番を頼む時だけこんなに優しいのだろう?
私は我慢できなくなった。幼い妹の手を引き、外を出たばかりの両親に泣きついた。
「Nを外に連れ出すなんて何考えているんだ!」「お留守番できない悪い子は罰が必要ね」
怒る両親に呆然とする。
この子がN?じゃあ、妹は?
困惑する私の思考は闇に包まれる。
そんな私が最後に耳にした言葉はやはり信じられないものだった。
「あなたはNと一緒にいい子でお留守番しているのよ」
妹って何?Nって誰?私は…誰?
ミステリー・推理
公開:21/02/05 20:45

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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