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ピンポーン
もう寝ようかと意識が微睡んでいた頃、その音は鳴った。
こんな夜更けに誰?と少し警戒しながらインターホンを覗けば、ワンピース一枚という凍えそうな服装の彼女がいて。
私は一秒でも早く彼女を温めなければとこたつへ招いた。
大好きなこの子は失恋したらしい。
手には明日彼に渡すはずだった、小さめのチョコレートケーキ。
いつもは細められている瞳が赤く染まり、水分量は増していた。
「どうして別れたのよ、」
「浮気されてた。
彼、明日は出張だって言っていたのに他の女と有給まで取って旅行に行ってたわ。」
あぁ、くらくらするほど最低な話。
どうして健気にあなたを好いてくれる彼女を裏切るようなことするのかしら。
「勢いで持ってきちゃったけれど、これ、捨てて貰えないかな?」
ぱくり。私は何も言わず口にそれを運んだ。
そして、彼女にキスを落とす。
私が温めてあげる。
甘くて苦い、チョコレートと共に。
もう寝ようかと意識が微睡んでいた頃、その音は鳴った。
こんな夜更けに誰?と少し警戒しながらインターホンを覗けば、ワンピース一枚という凍えそうな服装の彼女がいて。
私は一秒でも早く彼女を温めなければとこたつへ招いた。
大好きなこの子は失恋したらしい。
手には明日彼に渡すはずだった、小さめのチョコレートケーキ。
いつもは細められている瞳が赤く染まり、水分量は増していた。
「どうして別れたのよ、」
「浮気されてた。
彼、明日は出張だって言っていたのに他の女と有給まで取って旅行に行ってたわ。」
あぁ、くらくらするほど最低な話。
どうして健気にあなたを好いてくれる彼女を裏切るようなことするのかしら。
「勢いで持ってきちゃったけれど、これ、捨てて貰えないかな?」
ぱくり。私は何も言わず口にそれを運んだ。
そして、彼女にキスを落とす。
私が温めてあげる。
甘くて苦い、チョコレートと共に。
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公開:21/02/03 13:00
色んな色の作品を目指します。
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