マンホール乗りおじさん

淀屋橋の会社に勤めていた頃の昔、地下鉄駅を出て御堂筋を歩いていると、突然歩道から車道に飛び出しマンホールの蓋の上にピョンと飛び乗っているおじさんを発見した。
おじさんは走って来る車をすり抜ける様に一つのマンホールが終わると、また次の蓋を目指し駆け寄りピョンと乗る、これを何十回と繰り返している。
御堂筋車道は何故かマンホールだらけであったが、おじさんは何の目的でこんな行動をしているのか興味もあった。
終わり無く続くこの行動を、見ているにもアポイントの時間も迫り、最後まで見届けずにその場を去った。

商談中もおじさんの事が気になり不調に終わったが、驚く事に翌日の逢阪新聞（夕刊紙）には、謎の男マンホールに消えると大見出しが踊った。
目撃者の話では、マンホールに飛び乗った際に蓋が外れたか、その場から突然姿が消えたとの事だ。
通報により捜索隊が出動したが、未だ本人の発見には至っていない。