献身的な女

「最近彼氏とどう？」
「もう一年くらい会ってないし、連絡も取ってないわ」
「一年？そんなに遠距離なわけでもないでしょ」
「ええ、電車で一本よ」
「なにそれ、なんで会わないの。ていうか、連絡も一切なし？それ付き合ってるのかしら」
「付き合ってるはずよ」
「はずって、ちょっとあんた大丈夫？」
「大丈夫。彼のことを愛しているからこそ、私は連絡しないの」
「どういう意味よ」
「あのね、驚かないで聞いて…」
「なによ、もったいぶって。早く言いな」
「彼ね、超がつくほどのドMなの。つまりマゾヒズム」
「何を言い出すのかと思ったら…」
「これは放置プレイなの。彼のために、いじめてあげてるのよ」
「献身的なのね。でも、親友だと思うからこそ言うけど、あなた変よ。それに、私この前、あなたの彼に言い寄られたんだから」
「え、嘘？」
「本当よ、ひどい男ね」
「やだ、なんだか興奮してきたわ」
「まさか、あなたも…」