消えた猫

4
4

猫が足元に絡みつくようについてきた。
僕は猫が好きではない。
ああ鬱陶しい、まだついてくる。
家の前まできたらいつのまにか、姿を消した。
僕はせいせいした。
次の日も同じ猫がついてきた。
僕は走った。猫も走る。僕を追い越し家の前で姿を消した。
それからは、雨の日も風の日もついてきた。3ヶ月ほど経っただろうが、僕は猫を好きになっていた。恐る恐る頭を撫でようとすると、猫の後ろ足を踏んでしまった。
猫は僕の手を噛んで走り去った。
その日から猫は現れない。どうしたのだろう?足は大丈夫かな?
猫のことが頭から離れない。噛まれた傷跡が余計に思い出させる。
僕は猫が忘れられない。
しばらくして、入院していた、さあやが退院し、訪ねてきた。なぜか杖をつき、足を引きずっている。
さあやは僕に言って微笑んだ
「直樹、まだその手痛むの?」

もしかして…。
ファンタジー
公開:21/02/03 22:41

安楽人

ずふの素人ですが、物書きに興味を持ってしまい、
2021.1月からはじめました。
身近にあった出来事をヒントに書いています。
書くことがこんな面白いとは!

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容