魔王の悩み

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「おい、魔王!俺が今日で倒してやる。」
「やれやれ、またか...」

魔物が多く巣食うこの村に暮らして30年が経つ。
予算の都合でこの村の奥地の洞窟に家を構えた。
魔物が多いことは不便ではあるが、物流などはあるため暮らしに困ってはいなかった。
しかし、悩みの材料はこれだ。そう、勇者だ。
このような地に住んでいるため、勇者が私を魔物の王として討伐にくる。

これだけは言わせてほしい。
私は悪さを何もしていない。
何年か前に、SNSで私が魔物の王というガセネタが流れてから大して情報の信憑性を確かめない馬鹿どもが昼夜問わず私を襲ってくる。こういう正義感振りかざしてる奴は本当に迷惑だ…
そのたびに、私は正当防衛としてバカ勇者をやっつける…もう経験値はかなりのものになった。

今日もまた勇者を倒してしまった…また、悪い噂が広まる。
「あぁ~やってらんねー」
今日もまた酒がすすむ。
SF
公開:21/02/03 22:21

向田律動

向田律動(むこうだりずむ)です。
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