謎のお人

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駅の構内を歩いていると、やー久しぶりと知らない男が笑みを浮かべ、私に近づいてきた。一瞬誰だろうと頭の中の記憶はフル回転を始めた。年格好は私よりは若干年上の様にも思えるが大差はなさそうだし、昔の同級生や幼馴馴染み、或いは学生時代の先輩とか、それともサラリーマン時代の取引先のお方か、同僚か?いや遠い親戚の人で誰かの冠婚葬祭に同席した事があるとか。
相手は皆さんもお元気で、お変わりありませんかと畳み掛けて来る。
まいったなー、どちら様ですかと口から出かかったが、一瞬飲み込んだ。
どこかでお世話になった方だったら、大変失礼にあたるし。
とは言え相手の人が私を誰か別の人に、勘違いしている可能性もあるしな。
やはり聞いてみようか、これが落語だったら、何言ってるだ、俺はお前の親父だよとか、お前の兄貴だよとのオチになるのだが、
今回ばかりは腑にオチない。またつまらない駄洒落だ、ガハァガハァガハ!
その他
公開:21/02/02 19:35

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