青いアイツ

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仕事の机の引き出しから、いきなりアイツが出てきた。青と白の、丸い二頭身フォルムのアイツだ。
 子供の頃、そのストーリーやアイテムに夢中になったあの主人公。それが目の前にいた。これが現実か幻かなんて、この際どうでも良く、それよりもあのセリフを期待してワクワクしていた。
「ボク○○◯もん!」
世代によっては、大山のぶ代か水田わさびかで分かれるが、 俺は断然のぶ代派だ。
「イテテテ…せめーなオイ」

あ…のぶ代でもわさびでもない。
普通のおっさんの声だ…。
「いやータイムマシンがエンコしちゃってよ」と、椅子にふんぞり返る。「直るまでお邪魔するよ。あ、おかまいなく、すぐ帰るから」
俺は期待した分だけがっかりしながら、
「アイテムで帰れないのかよ」と聞いてみた。

すると「あー、あのドアとか? あれ立て付け悪くなって、開かねぇんだわ。 他のももう年代物で使えんしなぁ」 彼はガハハと笑った。
その他
公開:21/01/30 23:08

茎田きみゆ( 東京 )

書くのが好きなのでとりあえず思い付くまま書いてます。週に一、二本を目標に書いていきたいですが、休むときもあります。 得意ジャンルはありません。
アイコンを変えました。特に意味はありません(^_^ゞ
2021.4.5
ペンネームを『小山田みゆき』から変えました。

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