クリティック

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ワンパンマンという漫画に、音速のソニックというキャラクターが出てくる。作中で他のキャラにもつっこまれている通り、ソニックという語は音速を指しており、音速のソニック、という通り名は同語反復になってしまっている。だが作者の賢明な点はここで「音速」という、あまり一般的ではないワードを選択したことにある。
炎のファイアー、剣のソードだと違和感がある。我々の中に、言葉は言葉そのものではなく抽象的な概念として格納されているからだ。言葉が違ってもそれぞれの言葉が指し示すものが同じなら、我々は同じ意味が繰り返されていることを即座に認識する。認識は違和感へと直結する。
しかしここに一般的ではない「音速」を用いたことで、普通の読者は他のキャラが指摘してくれるまでその事実に気がつくことがない。従って、気持ちよく笑えるというわけだ。

随分と偉そうに語る、そういうあなたは何様なの?

批評家のクリティック様、だ。
その他
公開:21/01/30 22:00
更新:21/01/30 21:29

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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