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とある料理研究家が惨殺遺体で発見された。被害者は腹部を中心に包丁でめった刺しにされている。
犯人は凶器となる包丁を被害者の体に残したまま逃走。財布等、金品が奪われていない事から怨恨による犯行と断定した。
我々は凶悪殺人犯確保の為、早急に捜査本部を立ち上げる。
「警部、待って下さい。これは殺人事件ではありません。被害者は事故死です」
鑑識からの報告に私は勿論、皆が目を丸くした。
「見て下さい。被害者の胃袋からこれが出てきました」
肉、大根、こんにゃく…見せられたのはありふれた食材だった。それがどうした?
「こちらがその拡大写真です」
それらはよく見ると細かな切れ込みが入っていた。だから何だ?
「これ、隠し包丁ですよ。どうやら被害者は隠し包丁を料理に入れ過ぎた結果、隠しきれなくなった包丁が腹から突き出たようです」
そんな馬鹿な!?
「隠し事は程々にしないと身を滅ぼすんですよ…」
ミステリー・推理
公開:21/01/30 20:43

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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