ベッドの夢

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 こんな夢を見た。
 私と瑠夏はベッドの上で目が覚めた。上には青空が広がっている。
 むくりと起きて辺りを見回すと、どこまでも果てしなく水面が続いていた。試しにベッドから下りてみると、水は踝くらいまでしかないことが分かった。
「どうしてベッドだけあるのでしょうね?」
 瑠夏は首を傾げている。
 確かに、他の建物は見当たらない。どこまでも続く水面に青空が生えて青く輝いている。空恐ろしいくらい広々とした空間だ。地平線がこれだけハッキリと見えることも珍しい。
 私はベッドでもう少し寝ててもよかったのだけれど、瑠夏がゆっくりと水面を歩き始めたので、慌ててその後を追った。
 暫くして、ベッドはどうなったかなと思って一度だけ後ろを振り返った。
 ベッドは相変わらず、元の場所にあった。
 一瞬、そのベッドの上から誰かがこちらを見ているような気がして、私は慌てて視線を逸らし、前だけを向いて歩くことにした。
ファンタジー
公開:21/01/30 19:58
夢中探検隊

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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