お空のお顔
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「勝手になさい!」
公園から女性の大きな声が聞こえた。
どうも、子供が帰りたくないと駄々をこねているらしい。
怒った母親は後ろを振り返ることなく公園を出て行く。
公園には残された子供と、居合わせた男性がいるだけだ。
今にも泣き出しそうな子供を見かねて、男性が歩み寄る。
そうして少し語りかけたかと思うと、子供は泣くのをグッと堪えて母親の後を追いかけた。
「ママごめんなさい。良い子にします!」
突然の変化に母親が驚いて理由を聞くと、子供は何度も詰まりながら、自分の言葉で話し始めた。
「さっきそこにいたお兄ちゃんが、お空にはお目めもお耳もお口もあるって。お日さまはいつも見てて、お空はいつも聞いてて、夜にはお月さまがお歌を歌ってくれるの!でも、悪い子には、泣きたくなる歌を歌うんだって。みんなが悲しいのヤだから、良い子になる!」
母親は「そうなの。」とだけ言って、子供の柔らかな手をそっと包み込んだ。
公園から女性の大きな声が聞こえた。
どうも、子供が帰りたくないと駄々をこねているらしい。
怒った母親は後ろを振り返ることなく公園を出て行く。
公園には残された子供と、居合わせた男性がいるだけだ。
今にも泣き出しそうな子供を見かねて、男性が歩み寄る。
そうして少し語りかけたかと思うと、子供は泣くのをグッと堪えて母親の後を追いかけた。
「ママごめんなさい。良い子にします!」
突然の変化に母親が驚いて理由を聞くと、子供は何度も詰まりながら、自分の言葉で話し始めた。
「さっきそこにいたお兄ちゃんが、お空にはお目めもお耳もお口もあるって。お日さまはいつも見てて、お空はいつも聞いてて、夜にはお月さまがお歌を歌ってくれるの!でも、悪い子には、泣きたくなる歌を歌うんだって。みんなが悲しいのヤだから、良い子になる!」
母親は「そうなの。」とだけ言って、子供の柔らかな手をそっと包み込んだ。
その他
公開:21/02/01 02:23
趣味で昔から物書きをのんびりやってます。
過去に書いたもの、新しく紡ぐ言葉、沢山の言の葉を残していければと思います。
音泉で配信されているインターネットラジオ「月の音色 」の大ファンです。
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