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高校二年生の時、現国の授業で森鴎外の高瀬舟を読んだ。
クラスメイトがその話を音読しているのを側から聞いていて、僕は町中をゆっくりと進む小舟を思い浮かべた。その時の僕のイメージは倉敷や潮来ような水郷の情景だったと思う。僕はその光景がどうしても見たくなり、その週末、阪急電車に乗って京都の河原町までやって来た。
改札を出て、はやる気持ちで階段を駆けのぼった。そして出口すぐ横、木屋町を流れる高瀬川を見て、完全に失望した。高瀬川の水深がわずか数センチで、それは川と呼ぶより、ちょっと広めの側溝と言った方が正しいように思えたからだ。どんな小舟もその川に浮かぶことは出来ない。それどころか、トレッキングシューズを履いていたら十分歩けるくらいの深さだ。
あれから何年も過ぎた。
今となっては僕は高瀬川の景色を楽しめるようになった。なぜならその川のおかげで、町の風情がいっそう引き立っているからだ。
クラスメイトがその話を音読しているのを側から聞いていて、僕は町中をゆっくりと進む小舟を思い浮かべた。その時の僕のイメージは倉敷や潮来ような水郷の情景だったと思う。僕はその光景がどうしても見たくなり、その週末、阪急電車に乗って京都の河原町までやって来た。
改札を出て、はやる気持ちで階段を駆けのぼった。そして出口すぐ横、木屋町を流れる高瀬川を見て、完全に失望した。高瀬川の水深がわずか数センチで、それは川と呼ぶより、ちょっと広めの側溝と言った方が正しいように思えたからだ。どんな小舟もその川に浮かぶことは出来ない。それどころか、トレッキングシューズを履いていたら十分歩けるくらいの深さだ。
あれから何年も過ぎた。
今となっては僕は高瀬川の景色を楽しめるようになった。なぜならその川のおかげで、町の風情がいっそう引き立っているからだ。
青春
公開:21/01/31 18:36
更新:21/02/17 07:04
更新:21/02/17 07:04
#高瀬川
#京都
#河原町
#高校
#高瀬舟
#現国
写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)
投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)
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