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子供の頃の話だ。
僕は公園で泣いている女の子に声をかけた。女の子は迷子だった。
僕は女の子の手を引いた。大丈夫。僕が必ず家に帰してあげるから。
僕は女の子の記憶を頼りに思いつくまま町を歩いた。
でも女の子の家は見つからず、ついに夜が来た。しかもお墓の前に来てしまった。
怖い…でも男だから怖がっちゃダメだ。
「おうち…あった…」
女の子は僕から手を離すとお墓に向かって走っていく。
女の子は幽霊だった。
しかも別れ際、笑いながら僕に「大きくなったら一緒のお墓に入ろうね!」って言ったんだ。
凄く怖くなって、走って家に帰った。
家に帰ったら、ママに滅茶苦茶怒られた…

「それ以来、僕は若干の女性恐怖症を抱えているんだ…」
僕の告白に年下のお見合い相手はそっと口を開く。
「結婚は人生の墓場と言います。一緒に家庭という名の墓標を築きませんか?」
後に妻となった彼女の笑みを、僕は子供の頃に見た気がする…
ホラー
公開:21/01/29 20:40
更新:21/02/01 20:37
ホラー×恋愛

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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