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「この間、携帯を変えたんだ。」
得意気に男がポケットから携帯電話を取り出す。
「出る度に最新機種に変えるなんてすごいわね。」
女が言うと、男は得意気に新しい機能を披露した。
「今度の携帯はAI搭載でね。人間以上に人間らしいなんて言われてるんだぜ。 」
「へぇ。そうなんだ。」
「人間でも空気を読むのが下手なヤツって居るだろ?この携帯は、ちゃんと場の空気を読んで、相手のニーズを的確に汲み取り、自動対応してくれるんだ!」
その時、男の携帯から突然、出囃子が流れ出した。
『え~、毎度ばかばかしいお笑いを一席…』
男は気まずそうな顔で女を見た。
「ここで落語が流れるってことは……つまり、君は僕の話に退屈していたってことなんだね?」
沈黙した二人。
携帯は空気を読んで場を締めた。
『おあとがよろしいようで。』
得意気に男がポケットから携帯電話を取り出す。
「出る度に最新機種に変えるなんてすごいわね。」
女が言うと、男は得意気に新しい機能を披露した。
「今度の携帯はAI搭載でね。人間以上に人間らしいなんて言われてるんだぜ。 」
「へぇ。そうなんだ。」
「人間でも空気を読むのが下手なヤツって居るだろ?この携帯は、ちゃんと場の空気を読んで、相手のニーズを的確に汲み取り、自動対応してくれるんだ!」
その時、男の携帯から突然、出囃子が流れ出した。
『え~、毎度ばかばかしいお笑いを一席…』
男は気まずそうな顔で女を見た。
「ここで落語が流れるってことは……つまり、君は僕の話に退屈していたってことなんだね?」
沈黙した二人。
携帯は空気を読んで場を締めた。
『おあとがよろしいようで。』
その他
公開:21/01/29 09:02
児童文学、エッセイ、小説などを書き散らかし、公募にいそしんでおります。
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