0
3

ショーウィンドウには煌びやかな服、靴などが飾られていた。「素敵」横を通った一人がスーツを興味深そうに見た。すると、好感度と書かれた値札の値が上がる。見向きもしていなかった通行人が足を止めると、さらに値を上げた。
「好みではないかなぁ」店内で一人が白シャツを険しく見た。すると、好感度と書かれた値札の値が下がる。店内のお客さんが関心を向けなくなると、さらに値を下げた。
私が手を伸ばしたハイヒールはそのなかでも一際、低い値が書かれていた。
「試着をしてもよろしいですか?」
私は色も綺麗でラインが美しいそのハイヒールを履かせてもらうことにした。
「!」
しっくりくるそれに、しゃんとするような高揚感に包まれた。私は自分でもわかるほどふやけた表情でそれを見つめた。
履いてきた靴を紙袋に入れてもらって、店を後にした。
そのハイヒールを履いている、街のショーウィンドウに映る私をほんのちょっぴり好きになる。
その他
公開:21/01/30 13:58
更新:21/02/03 20:23

真月。

ご覧いただき ありがとうございます。
よろしかったら読んでみてください。
作品の絵も自身で描いております。

コメントや☆など とてもありがたく思っております。ありがとうございます。
のほんとしたお話や癒しとなっていただけるようなお話を描けたらと思っております。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容