失恋ポイント

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「今回の失恋でのポイント獲得により、記帳上限を超えました。帳面を新たにして、引換券を発行いたします。」いつもの受付で、いつものにこやかな男性は、いつもと違う対応を口にした。
「え?」「“獲得ポイント”によって、“失恋ポイント”に戻ることが出来る引換券でございます。失恋のきっかけとなったポイントとして記帳されております地点からお一つ、お好きな地点へお戻りいただけます。」「その失恋をする前に戻れる、ということですか?」「さようでございます。」「失恋ポイント以降の現在までのお時間は、お持ちになれません。」男性は続けてそう言うと、カウンターにその引換券らしき物を置いた。「当人様のみご使用でき、有効期限はございません。ですが。引換券を持ち続けている間はセンサーが鈍るもの。お相手探しにはこれまで以上にお気をつけください。不要の際は、こちらの専用回収箱へ。」
「さて。こちらの引換券、どうなされますか?」
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公開:21/01/30 00:36

真月。

ご覧いただき ありがとうございます。
よろしかったら読んでみてください。
作品の絵も自身で描いております。

コメントや☆など とてもありがたく思っております。ありがとうございます。
のほんとしたお話や癒しとなっていただけるようなお話を描けたらと思っております。

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