0
1
ささいなことで妻と喧嘩をした。
頭を冷やしてくると告げて車を出し、気づけば海沿いを走っていた。
そう言えば腹が空いたな。
目についた適当な店で車を停めて入店しようとしたが、何か変だ。
やけに入口が小さい。
何だこの店、と思っていると、窓から店員らしき青年が顔を出してこちらを見て微笑んだ。
「どうぞ〜」
見つかってしまったなら仕方ない。
体をかがめて何とかドアをくぐり抜けると、中は普通の喫茶店だった。
注文から待つこともなくすぐに出てきたカレーを食べてみれば、なんと妻の作るカレーそっくりで、妙な居心地の悪さを覚えた。
食事を終えて店を後にしようとしたとき、ある事に気づいた。
「ん?」
ドアが普通の大きさに戻っている。
「お客さん、家に帰ったらごめんなさいするんですよ。そうそう、ここに来た時みたいに」
青年の声に振り返ると、その姿も店もなく、ただ静かな海が広がっていた。
頭を冷やしてくると告げて車を出し、気づけば海沿いを走っていた。
そう言えば腹が空いたな。
目についた適当な店で車を停めて入店しようとしたが、何か変だ。
やけに入口が小さい。
何だこの店、と思っていると、窓から店員らしき青年が顔を出してこちらを見て微笑んだ。
「どうぞ〜」
見つかってしまったなら仕方ない。
体をかがめて何とかドアをくぐり抜けると、中は普通の喫茶店だった。
注文から待つこともなくすぐに出てきたカレーを食べてみれば、なんと妻の作るカレーそっくりで、妙な居心地の悪さを覚えた。
食事を終えて店を後にしようとしたとき、ある事に気づいた。
「ん?」
ドアが普通の大きさに戻っている。
「お客さん、家に帰ったらごめんなさいするんですよ。そうそう、ここに来た時みたいに」
青年の声に振り返ると、その姿も店もなく、ただ静かな海が広がっていた。
その他
公開:21/01/29 21:31
更新:21/01/30 00:52
更新:21/01/30 00:52
葉智 樹壱(はち きいち)と言います。
よろしくお願いします。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます