躓き坂
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稀比都市の西側に「躓き坂」と呼ばれる場所がある。
ここを歩くと、足が何かに躓いてしまうのだ。
躓くのは必ず夕方で、足元が見えにくくなっている状態であることは確かだ。けれど、毎回、夕方に歩く度に老若男女関わりなく躓いてしまうというのは、やはり何かおかしい気もした。
そこで、暇な大学生にはよくあることなのかも知れないが、私は一度、どうしてこの坂では人が例外なく夕方に躓いてしまうのかを検証するために、一人でこの坂を歩いてみたことがある。
一番下から上までは特に問題なく歩くことができた。
けれど、上から下へと戻る際に、私は途中で躓いてしまった。
その瞬間、私はサッと足元を見てみた。
真っ白い兎のような物が私の足下に蹲っていた。
こいつのせいかと思ったのだが、その兎のような物は、一瞬の内に白い霧となって掻き消え、見えなくなってしまった。
あれが何だったのかは今でも分からない。
ここを歩くと、足が何かに躓いてしまうのだ。
躓くのは必ず夕方で、足元が見えにくくなっている状態であることは確かだ。けれど、毎回、夕方に歩く度に老若男女関わりなく躓いてしまうというのは、やはり何かおかしい気もした。
そこで、暇な大学生にはよくあることなのかも知れないが、私は一度、どうしてこの坂では人が例外なく夕方に躓いてしまうのかを検証するために、一人でこの坂を歩いてみたことがある。
一番下から上までは特に問題なく歩くことができた。
けれど、上から下へと戻る際に、私は途中で躓いてしまった。
その瞬間、私はサッと足元を見てみた。
真っ白い兎のような物が私の足下に蹲っていた。
こいつのせいかと思ったのだが、その兎のような物は、一瞬の内に白い霧となって掻き消え、見えなくなってしまった。
あれが何だったのかは今でも分からない。
ファンタジー
公開:21/01/28 07:44
稀比都市サーガ
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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