さいごのおねがい
0
3
病室のベッドに横たわる老婦を3人の老人と1人の若い女が囲んでいた。
「由美子」
枕元の近くにいる老夫が声をかける。
つい先ほどまで意識があった老婦は、穏やかな眠りについていた。持ってあと2日だろう。
その隣に座る老爺は歯を噛み締め、老婦を眺めている。うたた寝をしていたふくよかな老婆が目を覚ました。「ぁうーあー、あーーぅ」
老婆の声にハッとして老夫は言った。
「そろそろ元に戻していただけますか」
若い女がベッドの老婦の頬に触れると、老婦は若返った。
1人ずつ頬に触れて自らがかけた魔法を解いていく。老婆は赤ん坊の姿に戻り、魔女の手でベビーカーに戻された。
老爺は子供の姿に戻ると泣き出した。
「魔女さん、ぼくのいのち、はんぶんあげて」
「それはできないんだよねェ」
元の姿に戻った夫は言う。
「何かお礼を…」
魔女は豪快に笑って言った。
「いいのいいの!ウチら、親切すると若返るから」
「由美子」
枕元の近くにいる老夫が声をかける。
つい先ほどまで意識があった老婦は、穏やかな眠りについていた。持ってあと2日だろう。
その隣に座る老爺は歯を噛み締め、老婦を眺めている。うたた寝をしていたふくよかな老婆が目を覚ました。「ぁうーあー、あーーぅ」
老婆の声にハッとして老夫は言った。
「そろそろ元に戻していただけますか」
若い女がベッドの老婦の頬に触れると、老婦は若返った。
1人ずつ頬に触れて自らがかけた魔法を解いていく。老婆は赤ん坊の姿に戻り、魔女の手でベビーカーに戻された。
老爺は子供の姿に戻ると泣き出した。
「魔女さん、ぼくのいのち、はんぶんあげて」
「それはできないんだよねェ」
元の姿に戻った夫は言う。
「何かお礼を…」
魔女は豪快に笑って言った。
「いいのいいの!ウチら、親切すると若返るから」
その他
公開:21/01/27 20:35
北海道出身です。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます