洗濯の夢

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 こんな夢を見ました。
 洗濯板でゴシゴシと汚れを洗っています。
「こっちの方が楽だよぉ」
 と薫は言いながら、地面にコンセントを突き刺して洗濯機を回しています。
「いいんですよ、こっちの方が綺麗ですから」
 私はそう言いながら、衣服を板にこすりつけるのを止して、泡だらけになった手を前に伸ばしました。
 今日はいい天気です。空に雲は一つもありません。
 私はフゥッと泡だらけの手に息を吹きかけます。すると、泡が前に飛ばされながら大きなシャボン玉になり、その中にキラキラと輝く竜宮城が現れました。
「おお、綺麗だねぇ」
 と薫は言いながら、もう洗濯機のコンセントを地面から抜いて、近くの木に洗濯物を干し始めています。
 洗濯機は綺麗な風景を泡から作れないから好きではないのですが、それを言うと薫と喧嘩になるので、お口はチャックしたまま、泡の中に広がる竜宮城や魚達の様子を、私はいつまでも眺めています。
ファンタジー
公開:21/01/27 20:19
夢中探検隊

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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