テレビと海の夢

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 こんな夢を見た。
 私たちは広々としたアパートのリビングにいる。
 目の前にはテレビが一台置かれている。その画面には海のようなものが映されている。
 魚や海藻のようなものが見えるから海なのだと思う。
 でも、その画面はぼやけていて、本当に海の中なのかは自信がない。
「水中で目を開けた時みたいですね」
 瑠夏がポツリと呟いた言葉が、妙にシックリと来た。
 私が瑠夏に向かって頷くと、テレビの方からビリッという音が聞こえた。
 慌ててテレビに向き直れば、画面の中央に大きな亀裂ができていて、そこから大量の水が流れ込んで来ているのだった。
 私たちは慌てて避難しようとしたのだけれど、リビングの扉を開ける前に、水が私たちを飲み込んでしまった。
 アッと思って口を開けると、塩辛い水が入って来た。
 やっぱり海だったのかと思いながら目を開ければ、さっきテレビで見ていたのと同じような景色が広がっていた。
ファンタジー
公開:21/01/28 22:09
夢中探検隊

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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