創作放棄地

作家を目指し、その畑にやってきた私は呆然とした。
見渡す限り雑創（夢破れた者達のペン）が乱立している。
近くの雑創を引き抜く。『異世界転生ファンタジーもの』と書かれてあった。その隣は『学園青春もの』と書かれてある。
「作家は儲からない仕事と言われ続け、この有様です」
案内を買って出てくれた役所の人が苦笑いを浮かべた。
「田舎で作品を育てながらのスローライフ。それに憧れる人は多いです。でも、これが現実ですよ…創業って答えがなければ正解もない仕事です。それでもやりますか？」
私は頷いた。放棄された創作地はありふれた作品で溢れている。
だが同時に一つとして同じ内容はなく、捨てるには惜しい作品が溢れている。
私はここに創作園を作るつもりだ。誰もが気軽に創作を楽しめる場所を作りたい。
そんな思いで始めたこの仕事。今では多くの老若男女が気軽に創作を楽しめる場所となった。
創作園は今も拡大し続けている。