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うっかり入ったサークルにはおかしな先輩がいて、彼は毎日私に愛の言葉を投げかけてくる。
「好きだ、結婚しよう」
こんな情熱的な台詞を一体何度聞いただろうか。
でもこんな場面も、もう最後。
「ありがとうございます無理です、卒業おめでとうございます」
「最後も駄目かー!」
卒業祝いを手渡すと、彼は弾けるような笑顔で喜んで、そのまま手を振って去っていった。
時が流れ、私も社会人になった。
卒業の直前に先輩からお洒落なボールペンが届き、なぜ実家の住所を知っているのかと不安になった。
さらに聞くところによると、どうやらあの先輩は卒業祝いに贈った靴磨きセットを磨く高級なクリームを買い、顔が映るほど磨き上げて玄関に飾っているらしい。
どうにも呆れた人だ。
靴磨きを磨く先輩の姿が頭に浮かんで思わず笑みをこぼしながら、私はいつものようにボールペンを眺めたあと箱に戻し、そっと神棚に置いた。
「好きだ、結婚しよう」
こんな情熱的な台詞を一体何度聞いただろうか。
でもこんな場面も、もう最後。
「ありがとうございます無理です、卒業おめでとうございます」
「最後も駄目かー!」
卒業祝いを手渡すと、彼は弾けるような笑顔で喜んで、そのまま手を振って去っていった。
時が流れ、私も社会人になった。
卒業の直前に先輩からお洒落なボールペンが届き、なぜ実家の住所を知っているのかと不安になった。
さらに聞くところによると、どうやらあの先輩は卒業祝いに贈った靴磨きセットを磨く高級なクリームを買い、顔が映るほど磨き上げて玄関に飾っているらしい。
どうにも呆れた人だ。
靴磨きを磨く先輩の姿が頭に浮かんで思わず笑みをこぼしながら、私はいつものようにボールペンを眺めたあと箱に戻し、そっと神棚に置いた。
青春
公開:21/01/28 19:46
葉智 樹壱(はち きいち)と言います。
よろしくお願いします。
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