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　友達の裕二がケダモノに豹変してしまった。
　ありとあらゆる丸いものを破壊するようになってしまったのだ。
　手始めに、学校内の丸々太った生徒たちが消された。その後、車のタイヤがパンクする事件が相次ぎ、サッカーボールを始めとしたボール類も尽く潰された。
　最終目標は丸いこの地球を滅ぼすことだ。四角い眼鏡をかけた専門家気どりはテレビでそう言っている。
　俺は彼を正気に戻すべく、ピザ屋を破壊している最中の裕二に近づいた。
「おい、裕二！　どうしてそんな……」
　裕二は振り向いて自嘲気味に笑った。
「動機か？　いいだろう教えてやる。テストでいい点数を取りすぎたんだよ。どこを見ても丸、丸、丸、丸、丸！　うんざりだ。おまけに点数にも丸が二個ついていやがる。こんな丸だらけの世界くそくらえだ！」
「な……」
　なんというおこがましい動機なんだ……。
「お前にはわからないだろうな！」
「やかましいわ！」