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夕方のチャイムが窓から流れ込む。
濡れた髪をドライヤーで乾かしながら、窓から差し込む夕陽に目を細めて、赤く染まった部屋を見つめた。
この部屋にはあなたの思い出が詰まっている。
いや、染み込んでいると言っても良いのかもしれない。
甘い香りの柔軟剤。
料理をしないのにこだわる調理器具。
プリンを買う時はいつも二つ。
ここで別れを告げたとき、あなたは泣いていた。
私の腕を掴んで 「頼むから、もうこれ以上傷つけないで」 って、 私よりずっと辛そうだった。
ごめんね、でももう戻れない。
いっそのこと、気分転換にこの家の物すべて買い替えてしまおうか。
だってもうあの洗濯機は使えない。
あの包丁も使えない。
あの冷蔵庫も開けられない。
今もそこにあなたがいるから。
玄関の鍵が開く音がした。
「はーい、どなたですかー」
床に落ちたままの少し乾いた包丁を拾って、私は彼女を迎えに行った。
濡れた髪をドライヤーで乾かしながら、窓から差し込む夕陽に目を細めて、赤く染まった部屋を見つめた。
この部屋にはあなたの思い出が詰まっている。
いや、染み込んでいると言っても良いのかもしれない。
甘い香りの柔軟剤。
料理をしないのにこだわる調理器具。
プリンを買う時はいつも二つ。
ここで別れを告げたとき、あなたは泣いていた。
私の腕を掴んで 「頼むから、もうこれ以上傷つけないで」 って、 私よりずっと辛そうだった。
ごめんね、でももう戻れない。
いっそのこと、気分転換にこの家の物すべて買い替えてしまおうか。
だってもうあの洗濯機は使えない。
あの包丁も使えない。
あの冷蔵庫も開けられない。
今もそこにあなたがいるから。
玄関の鍵が開く音がした。
「はーい、どなたですかー」
床に落ちたままの少し乾いた包丁を拾って、私は彼女を迎えに行った。
ホラー
公開:21/01/26 19:53
更新:21/01/26 19:56
更新:21/01/26 19:56
葉智 樹壱(はち きいち)と言います。
よろしくお願いします。
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