羽蜥蜴
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電車に乗っていると、列車の進行方向から、水色の蜥蜴のようなものが現れた。
蜥蜴には薄い羽が何対もついていて、それをはためかせながら悠々と飛んでいる。
一瞬、これが龍とかドラゴンと言われる類の生き物なのかとも思ったのだが、どうもむかし読んだ絵本の挿絵に描かれていたものとは姿が違うようだ。
水色の羽蜥蜴はそのまま真直ぐ私が座っている席の横を通り過ぎて行った。途端に、爽やかなハーブの香りを纏った風がサワサワと吹いて来た。
思わずハッとした途端、私はハーブ畑の真ん中で、電車の席に座っている自分に気がついた。
どこか遠いところでガタンゴトンと電車の音は聞こえるし、振動もする。けれど、目の前にはよい香りを漂わせたハーブが広がるばかり。
これが、さきほどの生き物の仕業なのだろうと合点はいったのだけれど、目的の駅に到着してもこの風景のままだったらどうしようと、少し不安になった。
蜥蜴には薄い羽が何対もついていて、それをはためかせながら悠々と飛んでいる。
一瞬、これが龍とかドラゴンと言われる類の生き物なのかとも思ったのだが、どうもむかし読んだ絵本の挿絵に描かれていたものとは姿が違うようだ。
水色の羽蜥蜴はそのまま真直ぐ私が座っている席の横を通り過ぎて行った。途端に、爽やかなハーブの香りを纏った風がサワサワと吹いて来た。
思わずハッとした途端、私はハーブ畑の真ん中で、電車の席に座っている自分に気がついた。
どこか遠いところでガタンゴトンと電車の音は聞こえるし、振動もする。けれど、目の前にはよい香りを漂わせたハーブが広がるばかり。
これが、さきほどの生き物の仕業なのだろうと合点はいったのだけれど、目的の駅に到着してもこの風景のままだったらどうしようと、少し不安になった。
ファンタジー
公開:21/01/26 07:17
稀比都市サーガ
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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