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大学に行くため、新聞奨学生になってからようやく一年が経とうとしている。
はじめこそ、バイクの前かごに山のごとく積みあげた新聞の重みに耐えられずに転んだり、山坂をのぼりきれずに転んだり……何かと怪我が絶えなかった。
春夏秋冬、土地と季節の生活リズムに馴染み、常に眠気と押し合い圧し合いしながら暮らしていくのが当たり前になった。

冬は寒い。
山がちな地域でもあるので、うっすら雪も積もる。ところによってはバイクを押しながら進む。
新聞を配り終わるころには、少しずつ空気に朝日がにじんでくる。
コンクリに、溶けた雪が水たまりとなって広がっていた。

今日は晴れ。もう少し雪も溶けるはずだ。

かはたれどき、澄んだ空気のなか、足もと跳ねる冬銀河。
青春
公開:21/01/27 05:40
更新:21/01/27 05:43

松永あらた( 東京 )

はじめたてで良くわからないところもありますが、末席に加えていただけましたら幸いです。
書くことを楽しんで行きたいです。

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