操り人形の夢

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 こんな夢を見た。
 私たちは喫茶店の窓際の席に座っている。
 どちらもがフリルの付いたどう考えても趣味じゃない服を着ている。いや、着せられているのだ。
 私たちの手足や首、それに口までもが実に細い糸で結び付けられていて、その糸が動かないと一人で欠伸もできない。
「操り人形も楽じゃないねぇ」
「本当に。何だか疲れてしまいますね」
 まるで自発的に喋っているように自分でも思いながら、その実、糸が上から引っ張られて唇や舌が動くことによって喋れていることに私は気付いている。
 私たちの行動は言わば、糸の恩寵なのだ。
 だから瑠夏と話をしていても、ちっとも楽しくない。
 一体、どんなやつが私たちの糸を操っているんだろうと思ったら、それに応えるかのように私と瑠夏の首が上にクイッと向けられた。
 店の天井には穴が開いていて、そこから私と瑠夏に良く似た二人組がクスクス笑いながらこちらを覗いていた。
ファンタジー
公開:21/01/26 21:19
夢中探検隊

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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