髪型を元に戻すスプレー

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息子が俺の誕生日に『髪型を元に戻すスプレー』をくれた。
嫌味か?俺の薄毛にこれが必要だと思うか?
「まあまあ、そう言わず使ってみてよ。40代前半くらいが自然かな?」
息子はスプレーのつまみを回し、俺の頭に一吹きする。
「ほら、どう?」
鏡を見ると俺の頭に白髪交じりだがフサフサの毛髪が生えてあった。
触ってみると自然な手触り。何だこれは!?
「髪型を元に戻すスプレーだよ。戻すってのは数年前って意味だけど」
俺は息子に感謝した。もうカツラいらない!

会社に到着すると部長の頭が不自然だった。黒々とした髪を自信満々に見せつけてくる。
スプレーを使ったな!察した俺は部長に嫉妬した。もっと昔の髪型にしておけばよかった!
「課長、髪型戻したんですね。そっちの方が似合いますよ」
部下が声をかけてきた。そ…そうか。
女子社員がくすくす笑う。
「部長のカツラ、似合ってなさすぎ」
…年相応の髪型が一番だな。
公開:21/01/25 19:58

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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