留守番の条件

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「ママ、いい子でお留守番するからこれ買って」
息子が紙粘土を手にせがんでくる。そんなに高いものでもないし、これで大人しくしてくれるのなら安いものだ。私は息子に紙粘土を買い与えた。
『それで何を作るの?』
「パパ!」
元気よく答える息子に申し訳なくなる。この子は父親を知らない。
「凄く優しくて、仕事も家事も出来て、僕とママを愛してくれるパパ!」
無邪気に笑いながら紙粘土を捏ねる。そんな息子を置いて、私はパートに出かけた。

夕方、帰宅すると見知らぬ男性が台所で料理を作っていた。
『だ…誰!?』
困惑する私に男性はにこりと笑いかける。
「君の夫だよ」
ますます困惑する。ドッキリ?それとも悪戯?
「凄いでしょ、ママ。僕が作ったんだよ」
息子が自信満々にパパ(仮)を紹介する。
ふと目に入った紙粘土の袋。そこには神念土と書かれてある。
それは願いを念じて捏ねると神様が叶えてくれる、奇跡の粘土だった。
ファンタジー
公開:21/01/25 19:52

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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