さかな
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「やはり魚には白さ、ね」
この家の主人の男はメイドに料理を持ってこさせると愉快げに言った。
「そうですか。いえ、僕はあまりワインに詳しくないですからね。是非教えてくれますか。それは美味さの絶対条件なんです?」
客の男は恭しく身構えている。あくまで彼のそれは誇り高き人間ゆえの演技である。
「少なくとも私はそうだ。魚は白、肉は赤」
「ほほう。では、目の前に魚と共に赤ワインが出てきたならば、必ず貴方はお怒りになるのでしょうね?」
「勿論だ。その時は目の色を変えてテーブルを滅茶苦茶にしてやるさ」
「ハハ。宜しい。いえ、暴力はいけませんが。そうでしょうが? 後悔することになりますからね。ええ、後悔します」客はひとり悦に入り、そして続けた。「目の色が変われば赤色のワインがことによると、そう、白ワインなんかに見えるかもしれませんからね」
この家の主人の男はメイドに料理を持ってこさせると愉快げに言った。
「そうですか。いえ、僕はあまりワインに詳しくないですからね。是非教えてくれますか。それは美味さの絶対条件なんです?」
客の男は恭しく身構えている。あくまで彼のそれは誇り高き人間ゆえの演技である。
「少なくとも私はそうだ。魚は白、肉は赤」
「ほほう。では、目の前に魚と共に赤ワインが出てきたならば、必ず貴方はお怒りになるのでしょうね?」
「勿論だ。その時は目の色を変えてテーブルを滅茶苦茶にしてやるさ」
「ハハ。宜しい。いえ、暴力はいけませんが。そうでしょうが? 後悔することになりますからね。ええ、後悔します」客はひとり悦に入り、そして続けた。「目の色が変われば赤色のワインがことによると、そう、白ワインなんかに見えるかもしれませんからね」
その他
公開:21/01/25 17:26
更新:21/01/27 16:42
更新:21/01/27 16:42
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