バグる

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「バズる?もう古いよ。次は『バグる』よ」
栞はいつも私の先をいってる。
「バグるってゲームのやつ?」
「そう。でもソレが現実で起こるの」
栞はスマホの画面を向けた。bugooというアプリが起動している。
「バグー?」「まぁ見てて。最新に上がってたのが…」
栞は赤い植木鉢の下に十円玉を置いて鉢を戻した。
「いくよ」鉢を持ち上げると十円玉が2枚になっている。
「え、手品?」「違う。バグってるの」
「何回でも?」「うん。修正されるまでは。せめて百円だったらなー」
「修正って誰に?」「さぁ、神様?」栞は微笑んだ。
「アプリってもみんなが見つけたバグが上がってるだけなんだけど…」
私は駆け出していた。

怖くて封印してた。砂鉄を使ったお絵描き玩具。
「見つかってないバグもある…」去り際に聞こえた栞の声。
記憶を頼りにあるマークと名前を書いて下部の取手をスライドした。
「ごめん栞…邪魔だからバグるね」
ホラー
公開:21/01/25 12:11

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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