留守番の条件

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私は病気を患っているらしい。らしい、というのは私にその自覚がないからだ。
トレーニングルームで体を動かす。健康体そのものである。
リモートスタディで頭を使う。勉強も得意だし見た目に変な所もない。
だけど両親は私にいつも「留守番してなさい」という。何でだろう?
この家はまるで牢獄だ。私がいい子で留守番をしていれば、両親は欲しいものを何でも買い与えてくれる。でも外に出してはくれない…
いい子で留守番をしていたら、いつかは外に出してもらえる。そんな条件もいつしか忘れていた…
私は決意した。自由とは自らが勝ち取るもの。私はいい子ではいられない!
私は家から出る決意をした。私が苦しむ素振りを見せれば、外から慌てて大人がやって来る。それを利用した。
外に出た私はすぐに後悔した。胸を押さえる。苦しい…
大人は悲痛な顔で私を見る。
「ダメだ…感染している」
その言葉で私は大人の嘘で守られていた事を知った。
公開:21/01/23 20:28

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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