未来でも、お天道様は観ている。

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「それにしても、我々の出番は無くなったなあ」

 若者が着るような、フードのついたパーカーを着ている、老人は昔を懐かしむように酒を飲みながら語る。



「本当に。あの頃は良かった」

 向かい合う老人も、返答する。こちらはスーツだ。



 そうなのだ。



 AIが高度に張り巡らされたネットワークを駆使して監視する社会になった今、個人はどんな行動をとっても、AIがすぐに判断してくれる。



 だから、2人の老人たちは職を失ったのだ。パーカーの男は泥棒という仕事を、スーツの男は警官というお役目を。
SF
公開:21/01/24 01:54
警官 AI IT 宗教 罪

comsick( 京都 )

星新一が大好きな、ディレクター&ライター。仕事では主に経済を扱っていますが、創作では色々挑戦してみたいなって、思ってます。

※メインの媒体は「カクヨム」です。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880314308

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